線香花火

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線香花火

外に出るとあれだけ降りしきっていた雨がピタリとやんでいた。 地面にはところどころ水たまりが出来ている。 その水たまりを覗くと冴えない自分の顔が映し出された。 ポロポロと落ちてくる大粒の涙。 その涙を手の甲で拭き取る。 本当に本当に本当に本当に別れたくなんかない。 死ぬほど愛しているのに、こんなにも龍之介のことが好きなのに …どうして…、 待っていた結末は、 別れなんですか? 涙でぐちゃぐちゃのはずの顔を空に向ける。 雲の切れ間から少しだけ差し込む淡い光。
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