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「そうねぇ、何から話そうかしら。」
大きい目をパチクリさせながら俺を見る母さんは、少し話すことをためらっていたかのように見えた。
「過程を聞いてから、真実を知りたい?それとも最初に真実を聞きたい?」
「........母さんが話しやすいほうで構わない。」
俺は、あの大きい目が好きじゃない。自分とおんなじ目だけどおおきすぎるのは嫌だ。
「わかったわ、まず........真実から。」
母さんが息を飲んだのはすぐに分かった。
足を組み直して、落ち着かない心を何とか落ち着かせようとした。
飲んでいたティーカップを静かに置いて、カップについたグロスを指でふき取り、
ゆっくりとグロスでつやつや光唇を開いた。
「........龍之介、本当は私と伊藤雄一の本当の子供じゃないの。」
。
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