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頭がクラクラして、正常に働いていない。
ズキンっとときたま頭の中で破壊的な音がする。通常の精神は今の私はあいにく持ち合わせていない。だからこそ言えるのかもしれない。
この思いを、伝えられるのかもしれない。
「私、付き合っていた頃より
龍之介のこと、好きだよ。だからもう一度やり直そうって言ったらダメかな?」
言えた!心の中でガッツポーズを決めてヨッシャーと叫びたくなった。
よくやった自分、高望みはしない。これを言えたら十分だ。
何故だかわからないけど、私の中で龍之介に振られる予定でいた。本当に確かな理由はないけども。
「うん、馬鹿。なんで先に肝心な部分言っちゃうんだよ?」
「え?」
ボーっとする頭で考えた。今の言葉の意味が理解できなかった。
いや、理解はできた。だけどもどーしても自分にとって幸せな展開の言葉にしか聞こえなかったんだけど。
「前もそうだったよな。」
龍之介は遠い目をして昔を思い出すように喋り出した。
「いつも真琴は俺より先に気持ちを告げちゃうんだよ。
付き合うきっかけの告白は俺が言ったけど、確か先に気持ちを伝えたのは真琴だったし、俺が期末良い点取って進級したら言うからそれまで待ってろって言ったの覚えてるか?」
高校の時の記憶を頭の中で思い起こす。
確か、保健室で私言っちゃったんだ。龍之介に大学の推薦の話がバレて裏切っていたことを知りめちゃくちゃ怒ってた時に言っちゃったんだ。
「あー思い出した。」
そのあとニヤっと笑って龍之介を見る。
確かそんなことあった。なんかすごく懐かしく感じる。
「もし、この先俺より先にプロポーズしたらマジでキレルからな?」
「・・・・・・・・。」
えッ、ちょっと待って。今のどういう意味????
「口開けて目見開いてなんでそんな変な顔してんの?」
龍之介に言われて顔をできるだけもとの形に戻す。
いや!違うじゃん。
「待って!どういう意味?」
「言葉の通りだけど?」
ニヤリと笑った悪魔は私を見下ろしておでこに優しいキスをした。
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