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最高の幸せ
伊藤龍之介side*+。
真琴が俺の目の前で初めてこんなはっきり弱音を吐いてびっくりした。
あのあと真琴を寝かしつけ部屋の荷物の片付けをはじめていた。
引き出しを開いて見てしまうのはやっぱり母子手帳。
真琴が母親で俺が父親??
高校生だった今よりまだガキの頃の俺たちから見てみたら子供が子供産んで育てるのかと思うと笑ってしまった。
どんな子どもが生まれて来るんだろうか。
頼むから俺には似ないで欲しい。絶対に将来俺と同じことを繰り返すに違いない。
煙草に酒、遊びに女そして喧嘩………あげたらキリがないったらありゃしない。
真琴に似たらたいそう真面目で勉強ばっかりやってんのかな。
それでもってベッドの中だといつもの何十倍可愛くなるっていう…
おっと、今考えちゃいけないことが頭に浮かんでしまった。
その考えを振り払って正気に戻り片付けを再開する。
もうそろそろ…だよな。
別れる前に買った指輪は結局渡せないまま時間がたってしまっている。
というか真琴自身買ったことを覚えているのか全く謎。
あいつのこだ。きっと忘れてるに違いない。
結婚指輪はその指輪のほうがいいのか…新しく新調した指輪が良いのか…
地味に悩んで地味に迷ってる俺。
でも、記憶と思い出を大切にしたい。
「決めた。」
そう一言呟いて誕生石の入ったあの指輪を結婚指輪にすることに決めた。
あれを見せたら真琴はなんて言うんだろう。
ーーー懐かしいーーー
きっとそういうに違いない。
ついつい1人でクククと笑ってしまった。
面白くて、楽しくて。
俺、家族のためにちゃんと働かないと。
改めてそう再認識した。
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