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「紅茶、買ってきて!イギリス有名でしょ??」
「はいはい。」
「赤ちゃんのグッズ買ってきて!男の子っぽいかっこいいやつ!!」
「…はいはい。」
羽田空港国際線。
搭乗ゲートの目の前で大きなお腹を抱えてあれもこれもと注文を始める私。
「そんなにいっぱい頼まなくても今度一緒に行けばいいのに。」
サングラスをかけて呆れ顔の龍之介は、ハァとため息を吐く。
「俺、3ヶ月は確実にいないのにもうちょっと何か言うことあるでしょ?」
「え、ないけど?」
がっくりと肩を落とした龍之介はまたもや大きなため息を吐いて片手を上げた。
「時間だ。行くぞ。」
くるっと向きを変えて搭乗ゲートに向かっていく。
「龍之介待って!!」
お腹をおさえて、てくてく龍之介の元まで走った。
「馬鹿、走んな!」
私の体を受け止めて心配そうに顔を歪めた龍之介の唇にちょっと長いキス。
私は見逃さなかった……、頬がピンクに染まった瞬間を!
「…やっぱりお願いがある!」
「紅茶も買ってくるしベビー用品も買ってくるぞ?」
「そうじゃないの!!!」
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