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ここは、国立キャスリート高校の大図書館。
国内図書館でも有数の蔵書数を誇るこの大図書館は、キャスリート高校の名物の一つでもある。
そんな図書館で大きな本を広げて難しい顔をしている少女が1人。
二つに結んだ金色の髪、ページをめくる細長い指、そして極めつけは大きな黒縁メガネ。どこからどう見ても優等生の彼女は、本をすみに寄せて机に突っ伏した。
「冒険がしたい……」
ポツリと、彼女の口から言葉が呟かれた。
「心踊るような大冒険がしたああああああああい!!」
「図書館では静かに!」
「あ、はい」
すぐさま司書さんに怒られた彼女ーーマリアン・ホミーは、ポリポリと頭をかきながら本に視線を戻す。
マリアンはまだ知らなかった。もうすでに彼女の物語は始まっていたということに……。
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