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「気に入った」
ノイが突然そんなことを言った。
「え?」
マリアンは目をまん丸にして素っ頓狂な声を出す。
「友達になれよ」
差し出された右手を、マリアンは数秒呆然と見て、恐る恐る握った。
「よろしく…!」
握手はかわしたものの、沈黙が続いて苦しい。
「じゃあ、手始めにどっか店にでも…」
マリアンがそう言って大通りにあるカフェを数軒思い浮かべた時だった。
ガシャンッ
大きな音がして、大図書館の綺麗なステンドグラスが割れた。
「避けなさい!」
アカスジェル司書さんの鋭い声が聞こえた時にはもう遅い。
私たちの目の前には、ステンドグラスの破片が降ってきていた。
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