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常務は赤ワインをあけ、両方のグラスに1/3くらいまで注いだ。
銘柄とか年代とかそんなものはよくわからないけど
ボトルを見る限りは高級そう。
「もらい物だ。
たまたまあったのを思い出したから持って来た」
そんな目で見ていたのを気づかれた。
「俺は、一人の時はワインは飲まないからな」
さらりと言いながらあたしにワイングラスを一つ差し出す。
「あ、私は…」
「乾杯ぐらいしてくれるだろ」
どうしよう、か。
「飲まなくていい。 禁酒中だしな」
皮肉の入った冗談を言う彼の考えが全然読めない。
一体、何を考えているのだろう。
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