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「…っ」
いつの間にか常務はあたしの隣に来ていて、
あたしの体をやさしく包み込んだ。
背中をさすって、あたしが落ち着くのを黙って待っている。
あたしは、そんなことされる資格のない女なのに。
―――ああ、どうしよう。
今、はっきりとわかった。
あたしは、
常務が好きなんだ。
「おまえ俺のせいで苦しんでるよな」
違うよ、と言いたいけど、声がだせなくて。
あたしは虚ろになりながらもゆっくりと首を横に振った。
涙がとめどなく、流れる。
押えても、ねじ伏せようとても。
あたしは、彼の事が、好きなんだ。
好きが溢れてとまらない。
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