第10話

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しまいには、 どうしてこんなことをしているのかさえ わからなくなってきた。 そうしなければいけない理由も。 あたしの思考は矛盾を通り越して複雑に歪曲し、 絡み合っている。 めちゃくちゃだ。 目に涙が潤んだけど、 お腹にも喉にも力を入れてぐっと堪えた。 常務は あたしのことをどう思っただろう―――… そして迎えた27日のお弁当最終日。 屋上の扉の前で立ち止まり、ごくりと唾を飲む。 意を決して扉を開けたけど、常務の姿はなくて。 不思議に思いながら足を前へ進めると、 テーブルの上にメモが置いてあるのに気づいた。 それを手にとる。
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