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太陽と一緒に、実家に帰って来た。約二年ぶりだ。
「姉ちゃん、皆変わってないと良いね」
「ああ、そうだな」
自分で言うのも何だが、あたし等の実家は山奥にありかなりデカい。門から家までが、10分かかるのは異常だ。
やっとのことで家に着き、玄関の扉を開けると飛んできたのは。
「雅様アアアア!!太陽様アアアア!!」
「オイ!煩いぞ、カズマ!」
「そんな事言ってるけど何時も騒いでんじゃん、カズハも」
「う、煩いぞ!シズナ!」
「お帰りなさいませ。雅様、太陽様」
家に仕える奴らの叫び声に近い奇声。
家に仕える奴らは、相変わらず煩い。
父が妖怪の上に立つ覚で、母が人間、なので、自然的にこの家に仕える奴らも妖怪になる。
「たっだいまー!カズマもカズハも、シズナもシズノも相変わらず元気だねー」
「元気っつーか、煩いだけだろ」
「ハッ...!! 雅様に嫌われた…!!」
「カ、カズハ!そんな事ないと思うぞ!」
「止めて悲しくなってくる……」
玄関先で、久々に会った仕えてる奴らと他愛無い話をしていたら。
「雅ィィィイイ!!太陽ゥゥゥウウ!!」
「げっ………、母さん…」
「何よう何よう!久し振りに帰ってきた娘と息子相手にはしゃいで何が悪いのよう!!」
「大の大人がはしゃぐなよ…」
「まあまあ、姉ちゃんも母さんも落ち着きなよー」
他愛ない話をしていたら、酷く落ち着く低い声が響いた。
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