プロローグ

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部屋中に――蜘蛛の糸のように張り巡らされた――緋色の縄――。 その縄に――捕らわれるようにして、一人の美しい女性が縛りつけられている。 一糸纏わぬ姿を晒し、四肢を大きく広げ、首を項垂れ、切なげに息を吐きながら――。 女の前には一人の男が居る。 流れるように美しい白銀の髪。 紫がかった瞳。白磁を思わせるような美しい肌。 そして――女と同じように一糸纏わぬ姿。 男が女の首筋にそっと指を置く。 女がピクリと身体を震わせた。
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