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男の白銀の髪と息づかいが女の首筋を擽る。
女が頷いた。
「欲しい……の」
その言葉を聞いた瞬間、男が女からスッと離れた。
「ダメです」
「何で……!?」
女が潤んだ目で男を見つめる。
どんな男でも――願いを叶えてやりたくなるような美しい瞳だった。
けれども、男は冷たく言い放つ。
「“主人(あるじ)”から許可を貰ってませんから」
そうしてゆっくりと振り返る。
「ねえ……主人」
男の視線の先にはもう一人の男が居た。
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