第1話

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「はいどうもこんにちはー!」 『いやー、今日も頑張っていこう思うんですけどね。うん。頑張りたいですね。出来れば。』 「おぉ、のっけから意味深やなどうした。」 『あのー、僕ちょお気になる事ありまして。頑張るにあたって。』 「お、おう」 『それが気になって気になってしゃあないんですね、もう』 「ほうほう」 『あのー、3日3晩ね。寝ながら考えて、考えながら寝て』 「うわぁ台無し」 『んでね、わかったんです』 「ほう」 『勇者って恰好良いですよね。特にラスボスとの対決』 「ベクトルどうした」 『いやぁ、格好良いなぁ思ったらもうね、止まらんなって』 「傾倒っぷりよ!」 『なんで今日ちょっとやりたいっちゅーね』 「あぁ、うん。えぇよ」 『ほなやるから、お前アドバイス頂戴。』 「よっしゃ。(配置につき)」 『漸く決着をつける時が来たな、魔王…俺の4番アイアンがお前を撃ち抜く!覚悟ぉ!(ゴルフの構え)』 「あのー、ちょお待って。」 『ん?』 「おかしいおかしい。今何構えた?」 『ゴルフクラブ!』 「うん、ゴルフクラブで魔王と戦うって聞いたことない」 『嘘ー、盛り上がる武器言うたらゴルフクラブかマッチやろ!』 「え、何処のローカルルール?」 『知らんの?マッチ武器にするやりかた』 「知らんよ」 『灯油かぶってマッチでチャンバラすんねん。んで、その間に摩擦で火がつく』 「色々無理あるよ!?」 『運悪く火が回ったらそいつの負け。これがほんまのデスマッチ』 「う、うわあ…」 『デスマッチ知らんかったん?』 「出来れば聞きたくなかった」 『…えぇわ、続き続き!』 「強引やな」 『んで、世間一般の勇者って何構えるん』 「基本は剣やな」 『んー…ほなそれでいこか。』 「よっしゃ。(配置につき)」 『漸くお前を倒すときが来たようだな!さぁ覚悟しろ、俺の刀がお前をキルユー!(斬りかかる)』 「いや何故二重表現!?え!?」 『ウィットに富んだ勇者やねん。掛詞や。』 「…うん、めっちゃウェットな気分」 『えっ、マッチ着かへんやん』 「マッチ要らんから」 『はーい…(配置につき)漸くお前を倒すときが来たようだな!息子の仇!』 「…え、何があった」 『この勇者な、魔王に息子かっさらわれてん』 「おい、まさか」 『シューベルト!(同時に)』 「いや阿呆か。」
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