姫ノ住処

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「酷い有様だったよ」  僕がそう言うと、姫は悲しそうに薄く微笑んだ。 「自業自得じゃ」  プイと顔を背けた姫の黒髪が僕の頬を軽くかすめる。 「無事で済むわけが無かろう。妾を粗末にした罰じゃ」  そう言って尖らせた唇。  姫は20年だった今でもあの日と何も変わらない。
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