プロローグ

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  『突然ですが、明日クラス替えを行います』  金髪青目の少女は、生気を感じさせない淡々とした声で重大発表を告げた。 『あなたがたX組は、問題児を集めた不名誉なクラスです。しかしこれを機に、優等生であるA組に負けない平和思想を身に付けましょう』  教室の最前列、教壇の前に座る伊達政宗。彼は監視されやすい位置にいるにも関わらず、机に片足を乗せ、大あくびをしていた。 『……伊達政宗』 「ああ? なんだよ、突然名指しで」 『覚悟を決めて下さい。明日からは、そのような態度を取れなくなりますよ』 「はっ、誰が来ようと、俺を止められる奴はいねーよ。俺は独眼竜、伊達政宗だ」  政宗は自信満々に語る。それもそのはず、彼は学園を騒がせた放課後体育祭や給食の乱の中心人物であり、未来人から段違いの警戒をされている一人なのだから。 『それに、森長可』 「なんだよ、俺最近は大人しいだろ。雷だって打たれてないし」  同じく、特別警戒対象の森長可も、少女に文句をこぼす。彼は弟の千丸こと忠政を与えられてからは、確かに静かであった。しかしそれが台風の目である事は、今までの行動から考えれば明らかだった。  
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