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「立花、宿題見せて」
そして雪村は純和風の母の実家に立花を呼び出し、宿題の提出を求めた。
「それより、何か解りましたか?」
一方立花は、背中に嫌な汗をかきつつ表情を引き締め話を逸らそうとする。
「じゃあ、こうしよう。僕はリスト、立花は宿題をお互いに見せ合おうよ」
笑みを深める雪村に戦慄し、立花は葛藤した。強張った真顔のまま硬直し、しばらくしてから重い口を開く。
「じゃあ、リストを机の上に置いて、百歩後ろに下がってください」
明らかな悪足掻き。
「立花……謝るなら、今の内だよ?」
雪村の笑顔に凄味が増す。
「すんません、何一つ解りませんでした」
「よろしい。最初から素直に謝ろうね」
真っ白なノートを提出し座布団を下りて神速の土下座をする立花。雪村はリストを差し出し続ける。
「皆、性別も年齢も住所もばらばらだし、倒れた場所もばらばらで共通点が無いんだ。だから、この人たちの家から学校、家から職場までのルートも調べてみた。すると、必ず東駅を利用していることが分かったんだ」
地図を広げ指で何本か線を描き、交差した東駅をトンと叩く。立花が表情を引き締めた。
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