第1話

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「うわぁ!なにこれ?」 最初に声を上げたのは和成だった。 弘人に言われて見に来た私たちは異様な光景を見ていた。 先程までは何も無い状態だったのに今では火が付いている状況。 炎の中には黒い大きな何かが入っていて…恐らくそれが着火源となっているのではないか。 それに近づくたびに異臭がきつくなっている。 「火がついていることには驚いているが空はどこだ?」 そう、私たちが探しているのは彼だ。 今は、火が付いていることよりも彼のことが大切なのだ。 「此処にはいないようだな...別の場所に行くぞ」 勇気に言われリビングを出ていこうとすると....。 「うわああああああああああ!空あああああああああああ!!」 突然賢治が叫び声をあげ尻餅を付いた。 「どうしたの?」 瞳が問いかけると震える指で炎を指差し、搾り出すような声で 「い、今、炎の中に人影が....」 ―――――それだけで十分だった。 それだけで、私たちは解ってしまったのだ。 根拠はどこにもないが彼は何処にもいない。 何故なら、彼は今、炎の中にいるのだから....。
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