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「廃墟・・・か」
予定どうり8時に集合した私たちは、例の場所に行くことになった。
この廃墟は山の近くにあるため多分発言者はマニアックな人だろう。
廃墟があることは知っていたのだがどんなところなのか聞いていなかったためよく廃墟のことは知らない。
おんぼろ屋敷・・・綺麗な屋敷いや違う何かが違う。
庭と思わしき所には、名のない雑草が好き勝手伸び放題。
館の壁にも所々、蔓が絡まっている。
この光景を見て分かることは何かしらある。
それは人が住んでいない。もし住んでいたとしてももう10年は帰ってきてないだろう。
「千代・・・ちょっと此処怖くない?」
スススと近寄ってくるふわふわ系女子、立花輝は私の服の裾を掴む。
「大丈夫だよ?というか・・・功太、何で此処に来ようといったんだ?」
私は言いだしっぺの永倉功太に問いかける。
「え?何でって、面白そうだったからに決まってんじゃん」
そういう彼の顔はいたって普通だった
うわぁ・・・こいつ何も考えずに来たんだよ
功太と私以外は今にも泣き出しそうな感じだった。
まぁ、平気そうな人もいるけど内心絶対パニック状態だろ?分かるぞコノヤロー!
全く楽しめるというメンツではない事は確かだ。
「入るならさっさと入るぞ」
眼鏡の蔓を押し上げながら、催促するこいつは天野原勇気が言う。
「そうだな。功太、開けるわよ?」
一番近いところにいた私が扉を開けることになった。
そして、ギイイ…と重い、木製の大きな扉を開けた。
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