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「うわぁ・・・凄い綺麗」
私たちは中に入って驚いた。
外見はボロかったのに中はとても綺麗だった。
しかも中は長い廊下、たくさんの部屋があった。
奥の方には階段もある。
初めに私たちが入った部屋はリビングだった。テーブル、椅子等もしっかり置いてあり食卓であるという事を分かることができた。
テーブルには赤と白のチェックのテーブルクロス。
その上には火のついていない蝋燭、銀のフォーク、スプーン、ナイフ等が丁寧に置いてある。
「凄いですね・・・たった今まで人が住んでいたかのようですね」
そういう彼、七瀬 弘人。
弘人は近くにあったフォークをヒョイと持ち上げる。
しかしその反動で埃が舞い上がったのか弘人はゲホゲホと咳き込む。
そう・・・弘人が言うようにさっきまで人がいたかのように見えるが私にはそう見えなかった。理由は簡単だけど人が生活していたら生活感が少しでもあるはずなのにここにはない。
「うわぁ!!」
不意に誰かの驚いた声が聞こえる。誰だと思い振り返ると涙目になっている五十嵐賢治だった。
「大丈夫?賢治君涙目だよ?」
そう言う輝も涙目だった
「蝋燭が・・・」
蝋燭?と思い蝋燭の方を見ると明かりが灯されていた。
一瞬嘘だと思ってしまい瞬きをしてもい一度見るが明かりはついている。
「怖いこと言わないでよ賢治君!」
涙目で賢治に訴える神谷瞳。彼女も泣きそうだった。
どうやらこのメンツはやはり怖がりが多いようだ。
―――――――けれど、もっと怖いのはここからなんだ。
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