第1話

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「嘘じゃないって!」 賢治は訴えるが皆スルー。 どうやら皆は火が灯っている蝋燭を見ていないようだ。 けれど賢治が言っていることは嘘ではない。だって先程まで付いていなかった火がついているのだから。 私が考え込んでいるとふぅと誰かがため息をついた功太だ。 「思っていたよりも面白くないし帰ろう」 言いだしっぺが言うのはどうかと思うわけだ。 いいだしっぺが帰ろうとかってなんなんだよ。 あれだけ、瞳を輝かせていたくせに。 ――――――カチャリ。 「ん?」 功太の吐いた言葉とほぼ同時に小さな物音がする。 「ねぇ輝・・・何か聞こえた?」 「ううん?何も聞こえなかったよ?」 彼女には聞こえなかったみたいだ。 多分、聞き間違えのようだ。 そのあと、2階の部屋を見ていったが特に面白いものは一つもなかった。 「じゃあ帰るぞ!」 早く帰ろうと声をかける秋元空。 そして、扉に触れ、開ける…――― はずだった。 「はぁ?!」 「どうしたんですか?」 弘人が問いかけても彼からの返事はない 返事の代わりにガチャガチャと扉のノブをひねる音が聞こえる。 そして、絶望感が溢れた顔でこう言った。 「ヤベェ・・・開かねえ・・・・」
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