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「嘘じゃないって!」
賢治は訴えるが皆スルー。
どうやら皆は火が灯っている蝋燭を見ていないようだ。
けれど賢治が言っていることは嘘ではない。だって先程まで付いていなかった火がついているのだから。
私が考え込んでいるとふぅと誰かがため息をついた功太だ。
「思っていたよりも面白くないし帰ろう」
言いだしっぺが言うのはどうかと思うわけだ。
いいだしっぺが帰ろうとかってなんなんだよ。
あれだけ、瞳を輝かせていたくせに。
――――――カチャリ。
「ん?」
功太の吐いた言葉とほぼ同時に小さな物音がする。
「ねぇ輝・・・何か聞こえた?」
「ううん?何も聞こえなかったよ?」
彼女には聞こえなかったみたいだ。
多分、聞き間違えのようだ。
そのあと、2階の部屋を見ていったが特に面白いものは一つもなかった。
「じゃあ帰るぞ!」
早く帰ろうと声をかける秋元空。
そして、扉に触れ、開ける…―――
はずだった。
「はぁ?!」
「どうしたんですか?」
弘人が問いかけても彼からの返事はない
返事の代わりにガチャガチャと扉のノブをひねる音が聞こえる。
そして、絶望感が溢れた顔でこう言った。
「ヤベェ・・・開かねえ・・・・」
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