第1話「切ない猫の交換日記」-1

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でも車椅子生活になってから、家に引きこもるわたしの側を離れない。 ネコは寂しがり屋の匂いを嗅ぎ分けるのか。 窓から外を眺めるわたしの横で〈ぐるぐる〉と喉を鳴らしながら寝ているが常だった。 そのココアがまた鳴いた。おとなしく寝ているだけのココアにしては珍しい。 どうやら窓の外にココアが気になるものがあるようだ。 車椅子から身を乗り出し、窓の外を見てまわる。何もない。 いや、ココアとちがう鳴き声が聴こえた。 「にゃおん」 その鳴き声のする方を見ると、庭の梅の樹からだとわかった。 車椅子を操り、わたしは庭に出た。梅の樹の下であたりを探すが何もない。気のせいか? すると頭上の樹の枝から何かが落ちてきた。 〈すとんっ〉と軽やかな音をたてて、わたしの膝の上に黒猫が降ってきたのだ。 その黒猫が〈ぐるぐる〉と喉を鳴らしながら、驚いているわたしを何かいいたげな金色の目で見る。 降ってきた黒猫は、あの事故の時見た黒猫だと思った。 黒いツヤツヤした毛並みを撫でさせてくれる黒猫をよく見ると、首に赤い首輪が付いているのを発見した。 その首輪には小さなBOXが付いていて、なかに何か書かれた紙が入っていた。
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