条件彼女

1/23
23人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ

条件彼女

気がつけばいつも目が追っていた。 会話をすると妙に嬉しい自分がいて、それが恋という事に気づくのにあまり時間は掛からなかった。 「あのね…、好きなの」 放課後、二人っきりの時間が偶然出来た。 今を逃したら次はないと思っていたら、勝手に口が動いていた。 「えっ…!?」 彼は驚いた声を出し、私を見たまま黙ってしまった。二人の空間に沈黙が横切る。 気まずくなって、私は下を向く。 ダメ、だよね…。 そう思った時、彼が再び言葉を放った。 「じゃあ、付き合おっか」 「いいの!!?」 断れると思っていたため、意外な返答に驚いてしまう。 「いいよ、お前なら大歓迎。けど、条件付きでもいいならの話しなんだけど」 苦笑しながら彼は言った。 「条件?」 首を傾げる私に、彼は首を縦に振る。 「そう、条件」 それから、私は条件付きで付き合う事になった。 今、思い返すと何で承諾してしまったのだろうと思ってしまう。とても辛い条件だったのに…。 .
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!