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条件彼女
気がつけばいつも目が追っていた。
会話をすると妙に嬉しい自分がいて、それが恋という事に気づくのにあまり時間は掛からなかった。
「あのね…、好きなの」
放課後、二人っきりの時間が偶然出来た。
今を逃したら次はないと思っていたら、勝手に口が動いていた。
「えっ…!?」
彼は驚いた声を出し、私を見たまま黙ってしまった。二人の空間に沈黙が横切る。
気まずくなって、私は下を向く。
ダメ、だよね…。
そう思った時、彼が再び言葉を放った。
「じゃあ、付き合おっか」
「いいの!!?」
断れると思っていたため、意外な返答に驚いてしまう。
「いいよ、お前なら大歓迎。けど、条件付きでもいいならの話しなんだけど」
苦笑しながら彼は言った。
「条件?」
首を傾げる私に、彼は首を縦に振る。
「そう、条件」
それから、私は条件付きで付き合う事になった。
今、思い返すと何で承諾してしまったのだろうと思ってしまう。とても辛い条件だったのに…。
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