目線の先

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「それでさ、その時あいつがさ~」 「それ本当!?」 最近ムカツク事がある。 それは赤沢啓志の存在…。 急に梨亜の前にひょっこり現れたと思ったら、2人が付き合ってるんじゃないかと噂されるぐらい仲良くて、正直気に食わない。 今、クスクスと楽しそうに笑っている梨亜の話し相手もアイツだったりする。 更に嫌な事が1つ。 梨亜と目が合わない変わりに啓志とたまにだけど目が合う。 その瞬間、アイツはニヤリと笑うのだ。 どんな意味で笑っているかは分からないが、明らかに俺にだけ向けられた笑み。 最高に腹が立つ。 「野宮君、先輩が呼んでるー」 教室の入り口にいた女子が呼び、立ち上がった。 この嫌な光景を見たくないからちょうどいいや。 なんて思いながら廊下に出れば珍しいお客様。 「先輩どうしたんですか!?」 「何よ~その驚き方…私が誠の所に来ちゃいけないの?」 「いや、そう言うワケじゃなくて…先輩から来るのが珍しくて…」 いつも俺が行かないと会えないから。 俺を呼んだのは2つ上の先輩、黒川美菜(くろかわ みな)。 俺の彼女だったりする。
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