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「ソウマ殿、ソラ殿。久しいな。元気そうで何より。……ん?」
アメが、ソウマの背後に立っているリョウとツキに視線を移し、首を傾げた。
「そちらのお二方とは初対面か。我が名はアメ。マキのパートナーだ」
アメが礼儀正しく自己紹介をした。ツキは初めて見るソラ以外の仲間に目を輝かせている。
「ツキはツキだよ! で、こっちがツキがついている仕分け人のリョウなの」
「なるほど。リョウ殿とツキ殿か。これからも、よろしく頼む」
そう言うと、アメは再びマキに向き直る。
「さぁ、もう行こう、マキ。いつまでも立ち話しているわけにはいかない」
「そうね……じゃあ、私達もう行くわ……。またね」
マキが手を振り、河原沿いの道を数歩歩きだした。が、その途端に立ち止まり、不思議そうに首を傾げる。
「……あら? 私、どっちの道から来たかしら……?」
川の上流側と下流側を交互に指差しながらアメに尋ねた。
「我々がはぐれた位置から考えると、恐らく上流側から来た。だから、下流側の道に進めばいい」
よくあることなのだろうか。アメは慣れた様子で進むべき方向を指した。
「そっか……。じゃあ、こっちね……」
マキは嬉しそうに頷くと、再びふらふらと歩き出した。
アメはマキの肩を離れてリョウやソウマ達に近づき、ぺこっと頭を下げた。
「では、我々は失礼する。また会えるのを楽しみにしていよう」
マキの天然ぶりに不安を抱いたソウマが、アメにそっと耳打ちした。
「アメ、マキのお守り大変だと思うけど……ちゃんと見ててやれよ」
「承知した」
アメは胸を張って頷く、ふらふら歩くマキの後ろについていった。
「マキは相変わらずね。よくあれで仕分け人が務まるわ」
ソラが、呆れの目でマキを見送る。そんなソラを横目で見ながら、ソウマがニヤっと笑みを浮かべた。
「いーや、マキを侮るなよ? 聞いた話じゃ、マキは全仕分け人の中でもトップクラスの成績らしいから。あの毒舌が効いて、霊があっさり還っちゃうんだってさ」
その言葉を聞いて、今まで黙りこくっていたリョウが口を開いた。
「仕分け人って、何なんスか? オレ、罪を償えって言われたんスけど」
ため込んでいた疑問をソウマに投げかけた。
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