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「そのクッキー、ロイお姉ちゃんとサトリと一緒に作ったから…絶対おいしいと思うので、ガオ君にも分けてあげてください。そ、それと…さっきは医務室運んでくれてありがとうございました…それじゃあその…さようなら!」
ニアはそう言ってキル伍長に頭を下げ、医務室に運んでくれたお礼を言うと、猛スピードでその場を後にした。
勢いよく自室に戻りドアを閉めたニアは、ベッドに思い切りダイブし、独り言をつぶやいた。
「あぅ…ちゃんと二人にお礼を言えなかったよお…。渡すことはできたけど…なんか不自然になっちゃった…失敗かなぁ…でも良いよね…。」
そう言いながらニアはごろごろとベッドの上で転がり、だんだん眠くなってきたのか、そのまま眠りについた。
軍服も脱がず、犬のぬいぐるみを抱きしめながら。
「えへへ…みんなに、渡せたよお…サトリ…お姉ちゃん…ふにゅ…zzz」
そして寝言をつぶやき、満足そうに笑みを浮かべるニア。
こうしてニアの初めてのホワイトデーは静かに幕を閉じたのでした。
END
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