サトリの場合

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ホワイトデー当日、サトリはいつもより少し早く起きると、身支度を素早く済ませて、自室を飛び出していた。 そしてまだ寝ている他の軍の人を起こさないように、静かに軍の食堂に向かうと、冷蔵庫から昨日作っておいたケーキを二つ取り出して、それぞれ何人分かに切り分けて、一つずつ箱に詰めた。 「これでよしっと…さて、そろそろみんな起き始めるかな…。」 サトリはそうつぶやくと、みんなにそれぞれ渡すケーキの箱を、別に用意していた大きな箱にまとめて入れると、その箱を持って食堂で待機した。 しばらくすると、軍のみんなが朝食を食べに食堂に来たので、サトリは自分の朝食を食べてから、軍の人たちに声をかけてケーキを一つずつ渡していった。 ケーキをある程度配り終わった後、サトリはメモ帳を取り出して、渡した人にチェックをいれていった。 「えっと…後渡してないのは…レイ二等兵か…。よし、探すか。」 そうつぶやいて、サトリはメモ帳をしまうと、ケーキの箱を一つ持って食堂を後にした。
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