サトリの場合

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「この子…、お茶会の時にいたロボットじゃないですか。」 レイ二等兵がそうつぶやくと、サトリは嬉しそうに笑ってそれに答えた。 「こいつ、名前ベリーっていうんだけど…この前レイ二等兵がごちそうしてくれたケーキすごいきにいっちまって、絶対お返しするんだって言ってたから連れてきたんだ。ほら、あいさつしな。」 サトリがそう言うと、ベリーはおじぎをして、後ろに隠し持っていた小さな箱をレイ二等兵に渡した。 「それ、中身はシュークリームだから安心してくれ。ベリーの手作りだから味はちょっとわかんねーけど…。じゃあ…俺はまだ他の人に渡しに行かないといけないから行くぜ?また今度ゆっくり話そうな、じゃ!」 サトリはそう言葉をこぼした後、ベリーを手を引きレイ二等兵のいる場所を後にした。 そして何時間かかけて、すべてのケーキを配り終わると、サトリは自室に戻って紅茶を用意し、一息ついた。 「はぁ…さすがにこれだけ軍の中が広いと…探して渡すのは大変だな…ふぅ…。」 紅茶を飲み終え、ベッドに寝転び改めてメモ帳を確認する、20人以上は配ったであろうチェックの跡がメモしたページを埋めていた。 そのチェックを見ながら、サトリは独り言をこぼす。 「レイ二等兵と…もう少し話す時間あったかもな…。まあ、今更言ってもだめか…。」 そうつぶやいたサトリはベッドから起き上がると、メモ帳を閉じて自分の横に置き、上半身の軍服を脱いで、またベッドに寝転んだ。
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