ロイの場合

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ホワイトデー当日、ロイはいつも通りの時間に起きると、身支度を始めた。 「ぎゃ...髪の毛はねてるよお..うぅ..まとまれー...このー。」 10分ほどかけて、ロイははねた髪をまとめ終わると、自室に置いてある小さな冷蔵庫から、丁寧に包装した箱を次々と紙袋につめた。 「よし..これで全部かな..あとは..これを入れておしまいね。」 紙袋の中の箱の数を数え、全部入っているのを確認すると、ベッドの上に置いてあるぬいぐるみを手に取り、箱とおなじく紙袋の中に入れて自室を飛び出した。 「えっと..まず渡すのはガオ君でいいよね。この時間だと食堂にいるかな..行ってみよう!」 目的地を決め、早歩きで食堂にむかうと、キル伍長さんとガオ君が二人で食事をとっているのを見つけた。 そしてその隣にはサトリがいた。 どうやら二人にケーキを配っている最中のようだ。 ロイはサトリに声をかけようとしたが、サトリはロイに気づかなかったのか、素早く食堂から出て行ってしまった。 「あ..もう行っちゃった..早いなぁ..。まあいいや、とにかく今は二人にチョコ渡すのが先決よね!」 ロイは小声でそう呟くと、キル伍長とガオ君の側に近寄って声をかけた。
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