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それから三人は、5~6時間ほど作戦やお菓子作りにつぎ込み、ついにすべての作業が終わった。
「や、やっとおわったぁ…。」
サトリのその言葉と共に、三人はその場に座り込んだ。
そして休憩しながら、雑談をぼそぼそと始めた。
「そういえば、ニアは誰にクッキー渡すの?」
ロイがニアにそう聞くと、ニアは少し顔を赤めながらそれに答えた。
「え、えっと…、僕は桜庭少佐さんとキル伍長さんに…今のところは渡そうかなって思ってるんだ…でもうまく話せるかわかんないし…きっと忙しいよね…この時期は…はぁ…。」
ニアはそう言葉をこぼした後、落ち込んだのか体操座りをして顔を俯かせてしまった。
それを見たロイは、ニアの方に少し寄り添って、ニアの肩に手を置いて口を開いた。
「大丈夫だよニア、あの人達は絶対受け取ってくれるよ!勇気出して話しかけてみれば、なんとかなると思うよ!」
「うぅ…そうかなぁ…不安だよー…」
ニアはロイの言葉に小さな声で答え返すと、立ち上がって叫ぶようにしゃべり始めた。
「ぼ、僕、不安だからもう部屋に戻って明日の予行練習する!じゃあね二人とも!」
そう言うとニアは、明日渡すであろうクッキーを自分の分持ち、早歩きで自室に帰って行った。
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