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「あ、桜庭少佐…さん。」
「気が付いたみたいだな、具合はどうだ?」
そう聞いてくれた桜庭少佐は、なんだかすごくかっこよくて、大人の男性という感じだった。
まさしくニアが毎日と言えるほど憧れている、男の人だった。
「だ、大丈夫です…ちょっとふらついただけです…あ、あの!」
渡すなら今しかない!
そう感じたニアが懐からクッキーを出そうとしたが、ある事に気づいた。
クッキーがないのだ。
倒れる前まではちゃんと手に持っていたのに。
ニアが焦ってクッキーを探していると、それを見ていた桜庭少佐が口を開いた。
「なにか探しているみたいだが、探し物はあれじゃないのか?」
そう言って桜庭少佐が指さした先には机があり、その上にラッピングされたクッキーが二つ乗っていた。
それに気づいたニアはベッドから降りて、机の上にあるクッキーを手に取り、割れてないかよく確認した。
「よかった…無事みたいだ…よし!」
そしてニアは確認し終わると、座っている桜庭少佐の方に振り返って、ロボットのように歩き、なんとか桜庭少佐の前までたどり着くことができた。
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