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思わずビクリッと体が動く。
顔を上げると、黒く艶のある髪でつりあがった目そして、低い声。
私はその顔を見た瞬間、金縛りがあったように体が動かなくなってしまった。
「ねぇ、どうして遅かったの?」
震えそうになる口を噛みしめて笑顔で
「委員会の仕事があったの」と嘘をつく。
それを聞いても相変わらず冷たい視線を送るが「そうなんだ。」と言いダイニングへ行ってしまった。
その瞬間、私の体は自由になる。
「・・・ちゃんと・・・笑えてたかな?・・・」
私の心は、誰にも届かなかった―――――――。
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