氷姫

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春は出会いの季節・・・ 確かに春では新学期が始まりクラス替えでみんな新しい友達を作ろうと必死になっていた。 けれど、ひとりだけ席から動かずただ窓から見える桜を眺めていた少女がいた。 そんな中、少女に話しかける子がやって来た。 「ねえ、今日の放課後みんなでカラオケ行くんだけど橘さんもどう?」 少女は声のした方に顔を向けると話しかけた子は思わずビクッと体が動いてしまった。 それもそのはず、少女は容姿はとても綺麗で誰もが羨むような白い肌にサラサラとした少し茶色の髪の毛、そしてぷっくりとした唇・・・。 けれど、少女の瞳は闇だった。 真っ暗で吸い込まれそうな瞳だったのでみんな怖がってしまう。 話しかけた子と少女の間に冷たい沈黙がでる。 そして、少女は小さい声で「・・・いい。」っとつぶやく。 話しかけた子は「そう・・・」っというとすぐに女子が固まっているところに走って行ってコソコソと話している。
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