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「かわいだろ…あの子。」 花屋のユニフォームの紺色のエプロンが似合っていた。 長い髪の毛を一つにまとめ、 結んだ所には、花の飾りのついた髪飾りが、 シンプルで潔かった。 「…」 「黙ってんなよ。」 真太郎に突っ込まれて、見惚れていたなんて言えなかった。 確かに…一目ぼれする…かも知れない。 あんなにっこりと『ありがとうございました。』って言われたら、 この花屋にしか買いに来ないかも知れない。 「あぁ…」 かわいいだろ…に返事したのか? 黙ってんなよって言葉に返したのか わからない相槌をして、 俺はその女の子から視線を外した。
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