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妹さんの話を聞いて、 シズさんはネコみたいな人だと思った。 じーちゃんやお袋の事が大好きだったから、 元気なうちにさよならがしたかった…と、 妹さんに話したそうで、 自分が病気になって弱って行く姿や、 介護が必要になった時に、 迷惑になりたくなくて… 俺たちの側から離れたかったんだ…って 自分がいつまでも元気でいられるのなら… みんなの中で大好きな料理を作って喜ばれる存在で有りたい…と シズさんは生前話していたそうだ。 その話を聞いて、お袋も…親父も、 ただただ涙を零していた。 あの時…もっと引き留めておけば良かった。 シズさんは家族だから…って、 もっと言えば良かった…って お袋は相当に後悔し、 自分の為にこの家で働いてくれていたシズさんに 申し訳ない…と、何度も何度も妹さんや シズさんのご遺体に謝っていた。
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