17/37
前へ
/440ページ
次へ
シズさんだったら、再婚の話だって有っただろうに… 私たちの為にありがとう。 そう言いながら涙をいくつも零して、 遺体に縋るようにして泣いていたお袋は、 小さな子どもみたいに見えた。 そしてシズさんは… 今までの貯金一部を、妹さんやそのご親戚に、 そしてその他は、 六花さんの住んでいた施設に寄付するように残されていた。 そして最後に… じーちゃんの病院の施設費にしてほしいと残されていて、 その通帳を見たじーちゃんも、 もぬけの殻みたいに放心していた。 そんなこんなが有って、 バタバタしていたので、 じーちゃんは少し…老け込んだ気がする。 なので、学校から帰宅すると、 シズさんがいない事は寂しいが じーちゃんの家に子どもの頃みたいに 「ただいま。」と帰るのが日常になっている。
/440ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3009人が本棚に入れています
本棚に追加