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酒などが入った袋を 木崎のおじちゃんが下げている。 「ありがとうー。助かった。」ってにっこり笑ってるお袋、 玄関先で木崎のおじちゃんが丁度良くやってきたんだろうな。 お袋は、表面上は落ち着いた。 シズさんの葬式の後はどっぷり落ち込んでいて、 『仕事を辞める』とまで言った。 「じーちゃんのお世話も有るから辞めようかな。」って 弱気な事を言ったら 「好きにすればいい。」 親父はその一言だけしか言わなかった。 親父は放任主義なので あれしろ、とかダメとか言った事は一切言わない。 優しい一面も持ってるが 厳しい一面も…有る。 とは言え、 「まだお前の面倒になるのは嫌だ。」 じーちゃんがそう言って突っぱねた為、 「じゃぁ…仕事してるわ。」 作り笑いし答えてた。 多分、お袋はシズさんが亡くなってじーちゃんが ショックを受けてるんじゃないかって心配したんだと思う。
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