22/37
前へ
/440ページ
次へ
30代で奥さんを亡くしたじーちゃんは、 どこか人の死に弱い。 多分、シズさんも…その事には気付いてた。 だからこそ、妹さんの所に行ったんだと思う。 年齢から考えて、自分の方が先に逝く。 じーちゃんの寂しがる性格を思って… シズさんは決めた…今となっては思う。 「最近…顔見せないから寂しいじゃねーかよ。」 ビニール袋を提げたままの木崎のおじちゃんが 俺に話しかける。 木崎のおじさんは、とってもフレンドリー。 3人のじーさんの中で、 一番人当たりが良く、社交的。 でも家に帰ると、 一人時間を大切にすると言う意外な一面もお持ちだが、 今は大祐くんの子どもたちの専属ベビーシッター。 開業医なら定年は無い仕事なので、 隣の病院で働けばいいのに…と、 一緒に働いていた仲間からは言われることが多いと苦笑いを浮かべるが、 得意分野の仕事は、今でも…現役だと 大祐くんが急なお休みの日 ピンチヒッターに入った木崎のおじさんの事を、 隣の病院の先生が言っていた。
/440ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3009人が本棚に入れています
本棚に追加