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グイッと涙を拭った真太郎は、
初めて幼稚園で俺に話しかけてくれたあの日みたいに
ニカッと笑った。
*****
「オレ、しんたろー。おまえは?」
そう声をかけられたのが初めてだった。
「ゆーと!」って俺の背中を追いかけて
かけっこの練習をしたのも、
もう遠い昔の事だけど、
俺と真太郎にとってはかけがえの無い大事な思い出。
こうやって、重ねてきた年月を幸せに思う。
こんな友達に出会えて良かったと思う。
「お前もな。」
真太郎は目に涙をじわじわと滲ませて、
一番の笑顔で、それだけを言った。
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