13

21/29
前へ
/440ページ
次へ
グイッと涙を拭った真太郎は、 初めて幼稚園で俺に話しかけてくれたあの日みたいに ニカッと笑った。 ***** 「オレ、しんたろー。おまえは?」 そう声をかけられたのが初めてだった。 「ゆーと!」って俺の背中を追いかけて かけっこの練習をしたのも、 もう遠い昔の事だけど、 俺と真太郎にとってはかけがえの無い大事な思い出。 こうやって、重ねてきた年月を幸せに思う。 こんな友達に出会えて良かったと思う。 「お前もな。」 真太郎は目に涙をじわじわと滲ませて、 一番の笑顔で、それだけを言った。
/440ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3009人が本棚に入れています
本棚に追加