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「手間賃弾んでね。」 隆ちゃんからのメモ書きをポケットに入れて 帰路を急ぐ。 「気を付けて帰れよ!」 隆ちゃんの声が後ろから聞こえたので 振り向いて手を上げた。 次の瞬間、ポケットに入れたスマホが揺れる。 慌てて取り出し表示させると 「今日は夏芽と一緒に寄り道して帰ります。」 たったそれだけの素っ気ないメールを鼻で笑う。 内容やぶー子の事がおかしくて笑った訳じゃない。 自分自身がおかしくて仕方ないのだ。 この用件だけのメールが嬉しくて仕方ないんだから…。 「楽しんで来いよ。」 返事は一行のみ つまらないと思われるだろうか…。 建屋を出て空を見上げる。 ****** いつか、その寂しそうに笑う顔を 曇り一つない満面な笑い顔に変えるから… ずっとずっと、そばにいて… キミの傍に居たいから… ・・・END
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