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「隆に頼んだなら、早く言えばいいのに…」 木崎のおじちゃんは大ちゃんの事が心配で 自発的にいらっしゃったらしい。 他のスタッフが嫌がると思う。 木崎のおじちゃんは、 やっぱり元々の職業の事が皆さん頭を抜けない為 いくら『元』でも、N大の救命センターを背負っちゃってただけ有って イメージが怖いらしい 話せば、こんなに面白い人なのに… もったいない。 「俺は、早瀬先生の昔の論文を見せてもらいに お邪魔したんだけど…家主の方は 書斎に引きこもっちゃったんだよねー。」 健ちゃんはその辺に放置されていた何年も前の医学雑誌を 『面白いな…コレ』って言いながらパラパラめくってる。 「それぞれ、色んな用事が有って大集合だったって訳ね。」 リビング定位置に通勤用バッグを置き、 お茶の準備に取り掛かったお袋が 玄関先で俺を呼んだ用件をすっかり忘れている。
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