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「一目だけでも…な?」 言いくるめられて真太郎の意中の女の子を見るため 遠回りをして帰宅。 「めんどくせー。」 かったるそうに歩いていると、 「そう言うなって…」 真太郎の軽い足取りと比べたら俺の足取りは老人並み。 隣の家のじーちゃんだってもう少しスタスタと歩く。 大祐くんちの木崎先生だったら、 今の俺より絶対に早く歩く。 友達の片思いの相手に興味津々すぎて 前のめりに歩くと思う。 圧倒的に頭のおかしい大人に囲まれて育った俺は、 どこか若者らしさに欠けているらしく、 「あのさ…優…。お母さんが言うのもアレなんだけど、 あんた…もう少し若者らしくなれないの?」 普段…大学生の中で働いているお袋には 俺が若者らしく見えないないらしい。
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