無限組曲

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 勇気を出して、透子さんをデートに誘ってみた。  場所は、アイススケート場。  透子さんは静かな場所が好きなので、スケート客が少ない日を選び、何時もの公園で待ち合わせてから二人で向かう。  所が…、  「本野さん、大丈夫ですか? わっ!」  お互いスケートを滑るのは初めての経験で、選手の様に巧く滑れず、転げてしまう。  透子さんも僕を抱えようとして、駆け寄ってくれるが、バランスを崩してしまう。  「と、透子さんも大丈夫です…か?」  下から透子さんの体を支えるけれど、此の体制から急に立ち上がると、  「すみません、立ち眩みがしちゃって…」  立ち眩みを起こしてしまうのだ…。  ヴァレンタインのお返しに、特別な経験を二人で共有出来ればと、スケート場を選択したのに、何とも情けない。
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