現実は非現実?

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――大きな宮殿―― 西洋のお城のような建物の中にあたしはいる。 そして、ここは自室だろうか? 大きな部屋があってそこには煌びやかな家具が取り揃えられてる。 部屋の真ん中にある素敵なテーブルでお洒落なティーカップを片手に香りのよい紅茶を堪能する。 あたしは今『お姫様』のようだ。 近くの鏡台に映る自分の姿を見てみる。 ピンクのふんわりとしたミニドレスを着て頭にはシルバーの綺麗なティアラをつけている。 トントン 誰かが部屋をノックする。 「芽衣様、お客様です」 ドア越しに低い男の声がした。 あたしの予想では『執事』であろう。 「あら? お客様なんて珍しいわね。 通して頂戴」 そっとティーカップを置きあたしはドアの方にゆっくりと目をやった。 「失礼します」 ゆっくりと戸が開き一人の男が中へ入ってきた。 「お初にお目にかかります、芽衣様」 部屋に入るなり男は肩膝をつき三つ指をついてあたしに挨拶をする。 「初めまして。 貴方、見た感じでは剣士か騎士のようだけど何かご用かしら?」 男の姿をマジマジと見ながらあたしは尋ねる。 コーヒー色の少し長めの髪はあんまり手入れされてないのか少しボサボサしている。 入ってきた時に少し見た程度だが、背は高く肩幅がしっかりしている。 がっちりとした重装に腰にはキラリと光る長剣。 単なる剣士にしては装備が頑丈すぎるような気がする。
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