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隣のテーブルから、男子高生の笑い声が聞こえてきた。
男子高生4人組は、ウチらのことも、ウチらと反対隣に座っている女性2人組のことも見えていないようだ。ひたすら女の話で盛り上がっている。
ウチらのテーブルは、隣の学生たちの陰だ。楽しげな笑い声に隠れて、ふだんおっとりしているハルクも、根っからの純朴少年である悠理も、深刻な表情を浮かべている。
冷めきったポテトを1本つまみ、ぶらぶら弄んだかと思うと、それを口に含まないでハルクは言った。
「悔しいやん?」
ウチはすかさず突っ込んだ。
「何が」
「同じ男として。目の前であんなすんなりコスモポリタンに登録されたら。俺ばっかビビってるみたいで、悔しいやんか」
「そこ、悔しがるとこちゃうから」
「やとしてもや。それに、今日は2人に俺のラッキーチャンスのこと相談したかったんや」
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