第16話 泉希沙良編①

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 隣のテーブルから、男子高生の笑い声が聞こえてきた。  男子高生4人組は、ウチらのことも、ウチらと反対隣に座っている女性2人組のことも見えていないようだ。ひたすら女の話で盛り上がっている。  ウチらのテーブルは、隣の学生たちの陰だ。楽しげな笑い声に隠れて、ふだんおっとりしているハルクも、根っからの純朴少年である悠理も、深刻な表情を浮かべている。  冷めきったポテトを1本つまみ、ぶらぶら弄んだかと思うと、それを口に含まないでハルクは言った。 「悔しいやん?」  ウチはすかさず突っ込んだ。 「何が」 「同じ男として。目の前であんなすんなりコスモポリタンに登録されたら。俺ばっかビビってるみたいで、悔しいやんか」 「そこ、悔しがるとこちゃうから」 「やとしてもや。それに、今日は2人に俺のラッキーチャンスのこと相談したかったんや」
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