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◇3年目◇
先月、得体の知れないものを食わされた。
レシピ通りに作って
どうしてこんなことになるのか
きっとあいつには
何かの神が降りてきているに違いない。
きっとハートを模したのであろうハンバーグも
膨れて空豆みたいな形をしていたので
あえてそこには触れず
美味いよと誉めちぎった。
多分、というか、確実に
俺はこの百面相に毒されていて
どんな表情であろうとも
毎日見ないことには落ち着かない体になってしまった。
「俺が太ったら、それはお前のせいだから
責任取って貰ってよ?
返品不可ね」
そう言った俺に
照れと喜びとをごちゃまぜにしたような
なんともむず痒い顔をするから
盛大に笑って
力一杯抱き寄せた。
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