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午後12時00分 島建設前
「サイレンが鳴ってますね…」
秀悟も異変に気づいていた。
「うむ。ということはもう昼なのか…」
黎子の父が呟く。
「急いで取ってくる。建物の前で警戒をお願いします」
そう言うと智也はドライバーを取りに社内に入った。
「弥彦達は大丈夫だろうか」
秀悟は呟く、
「大丈夫でしょ。あそこら辺のゾンビは全て倒したし」
春菜が呟く。
「いや、このサイレンは昼になると町の広告スピーカーから流れるものだろ。その広告スピーカーがある場所は確か…」
秀悟の一言にハッとする春菜。
「石段の近く。そして、ゾンビは音に反応するから…」
「そうだ、急がないと弥彦達が危ないかもしれない」
「お待たせした。ドライバー持ってきたぞ」
智也が玄関からドライバーを手に持っている。
「よし、これで…早く弥彦達の元へ…」
秀悟が通りに出ると。
「赤城!伏せろ!」
突如、黎子の父が叫ぶ。
「!!」
とっさに伏せる。
頭上を何かが通過する
「ドーン!!」
秀悟の背後で自動車が轟音をあげて爆発する。
「し、秀悟!…大丈…」
春菜は思わず口が止まった。
「グルルルル…」
「これは…」
智也もその姿に驚く。
「ぬ。急いでいる時に…」黎子の父が鎖鎌を手に取る。
「ウオオオオオオオオ!!」
咆哮と共に裕に身長2メートル以上はある筋骨隆々の怪物が立っていた。
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