「迅雷」

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「…親父さん!カッコいいっす!!」 弥彦の目がキラキラ輝いてる。 「そりゃ、嵐川流の継承者だしな」 歩きながら黎子が呟く。 「興味をもってくれるのは嬉しいが…さ、この先が問題だ」 水田エリアに辿り着く。しかし、農道は土砂崩れと事故車で塞がっていた。 その上、水田は奴等の巣窟になっていた。 「…こりゃひどい」 秀悟が嘆く。 「ほ、他に道はないんですか?」 華江が黎子の父に尋ねるが。 「しかし、ここを通らなければ住宅街へは進めない…」 黎子の父が考える。 「いや、進みましょう!日本男児、網川弥彦!推して参る!」 そう言うと一人、水田に向かってダッシュする。 「おい!弥彦!」 黎子が声をかけるも。 「あの少年の勇姿に我々も続くぞ」 次いで父が鎖鎌を振り回し水田へ向かう。 「行くしかないみたいね」 春菜が槍を構える。 「行こうか」 秀悟も後へ続く。
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