「迅雷」

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「そろそろ、出発するぞ」 黎子の父が呟く。 「鍵探すの手伝ってもらってすみませんね」 智也がにこにこしながらおじぎする。 「いいんですよ。どのみち住宅街には行くつもりでしたから」 「そ、それに車があれば楽だと思いますし…」 「そうよ。家建ててもらったお礼!ってね」 春菜は笑いながら返事する。 「みんな…ありがとう。では、俺が落としたと思うところまで先導しよう」 智也は右手に小型チェーンソー、腰には先ほど作った火炎放射機、スパナにナイフが装備してあった。 「もう一度確認しますけど、どこら辺に落としたか検討はつきますか?」 秀悟が尋ねる。 「そうだな…さっきも話したが、親父が囮になったあと必死になって走ったから…石段周辺だきっと」 「石段か。ここから歩いて10分といったとこか」 黎子は壁によしかかりながら呟く。 「たぶんその辺に落ちてる気がする」 「では、石段付近に向かうぞ。社長、先導を頼む」 「任せてください」 こうして一同は島建設を出発した。
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