「脅威」

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「ウオオオオオオ!」 怪物が両手を振り上げ、地面に叩き付ける。 「ズーン…」 土煙と共に激しい振動が秀悟達を襲う。 「うお!」 離れているが、まるで地震のような衝撃が一同を襲う。 「こんなやつ相手にしてられないわ。みんな、逃げましょ」 春菜が逃げることを提案するが。 「ダメだ。石段へ続く道はさっきの投げた車で通れない」 秀悟の視線の先には真っ赤に燃えている車が道路を塞いでいた。 「じゃあ、どうすれば」 春菜がおろおろする。 「抜け道はある。俺の会社のガレージの裏口から隣家の庭に出られたはず。ただ…裏口は普段施錠していて、鍵が二階にあるんだ」 「それが何か問題でも…」 秀悟が尋ねる。 「あの怪物、さっき車を投げてきただろ?もし、会社の方に投げられたら…」 「全員死ぬってことか…」 秀悟が呟く。 「…なら、俺が囮をやろう。俺一人で大丈夫だ」 黎子の父が呟く。 「けど、あんな怪物一人じゃ」 「誰かが為さねば、何も成らぬ。それにお前らは若い。俺の武器も見事に使いこなしている。社長は今後も必要な人材だ。と、なると残るのは俺が適任だろう」 黎子の父はまっすぐ怪物を見ながら呟く。 「…分かりました。無茶はしないでください。鍵を開けたら叫ぶのでガレージへ」 「うむ…ではそちらは任せた。いざ…参る!!」 そう言うと鎖鎌を振り回し怪物へ向かっていった。 「急ごう」 智也と秀悟、春菜は二階へ向かう。
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